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自分が死ななければいけないと考えている方に。それは脳の誤作動です。希死念慮に対するあるいは誤解。 [自死(自殺)・不明死、葛藤]

希死念慮というと
死を希むと書くし、
自死したのだから、
死にたい気持ちだったのだなということは
素朴な発想なのでしょう。

しかし、多くの自死事案を担当すると、
「死にたい」という表現に違和感がありました。

私の友人で、
対人関係学のコミュニティ理論の後押しをしてくれる方が
事情があってうつ状態が重くなりました。
希死念慮が出たそうです。
回復してから自分の体験を教えていただきました。

その友人が強調していたことは、
「死にたい」という感覚ではなく、
「死ななければならない」
という信念のようなものをもっていたというのです。

その時は、死のうかどうか迷うというよりも、
どうやって死ぬかということばかり考えていたそうです。
死ぬことは前提になってしまっていることになります。

無力感や自己否定感が
突き詰められた状態ということになるのでしょう。

気になって、ほかのうつ病の方や自死未遂者に聞いてみたら、
死ななければいけないと言う方が、
確かに実感にあっているというのです。

なるほど、それならば
やめようと思えばいつでもやめられる方法でも
とどまることなく自死を遂行したり、
そうまでしなくても、と思えるほど
自分の退路を断つやり方で自死したりすることも
両方が説明が付きます。

「意思の強い人が自死をする」という実態にもあってしまいます。
死にたくて自死するわけではないということは
表現の観点からも正しいことになります。

問題は、
どうやって友人は死なないで済んだのか
ということで、ここが未消化なのです。
しかし、ここを書かなければならないところです。

この友人は、幸いにして、
自分が死のうとしていることを自覚した
ということになります。
死ぬことを考えることに没頭していたとき、
ふと
「いかんいかん」と我に返ったそうです。

まず、死ななければならないと考えているかもしれない
と思ったら、
そのことをはっきり文字にして意識することが
出発なのかもしれません。
声に出すことも、紙に書くことも必要ではないでしょう。
死のうとしていることは、
ある意味無自覚なのです。
言葉に出すことで、客観化することができるわけです。

その次は、友人は、
これは「脳の誤作動だ」と自分に言い聞かせたそうです
左上のリンクというところに対人関係学と情動の研究という
小さな字がでリンクを張っています。

かいつまんで言いますが、
人間というより、動物に限らず、植物も、
生き物すべては、
生存を維持する仕組みを備えていますし、
それがあっての命を営むものなのです。

生き物である以上、
生きようとすることこそ正しいわけです。
これは科学的結論というよりも、
そこから出発するという宣言のような、
大前提です。

だから、死ななければならないと
脳が判断することは、
どこか、自分の状態が間違っているのです。

おそらく、死ななければならない理由を
いろいろとあげるでしょう。
それらは、生きづらい理由としては、 たぶん誰もが納得するでしょう。 しかし、死ななければならない理由にはならないのです。
あなたが今生きている以上、
理由にならないということを否定することは誰にもできないでしょう。

脳は誤作動を起こします。
命の危険もけがや病気の危険もなくても、
誰かから怒られたり、テスト前に緊張したりすると
ドキドキして、熱くなり、カーッとしますよね。
これは脳が反応して、
脈拍をあげ、体温や血圧を上げているのです。

命やけがの危険があるときは、
闘ったり、逃げたりしなければならないわけですが、
筋肉を動かしやすくする仕組みですから
これは、正しい反応ということになります。

対人関係の危険でこの反応を脳が行うことは
意味のない反応です。
日常的に脳は誤作動を起こしています。

死ななければならないと思うことは、
誤作動以外の何物でもありません。
細胞の隅々まで生きようと活動しているのに
脳が死ななければならないなんて動くことは
どっか不具合が生じているのです。

あなたを苦しめることが
長く続きすぎたり、大きすぎたりするために
有効な反応ができなくなっているのです。

自分が死ななければならないと思っている
という自覚と
脳の誤作動だという自分への誘導
繰り返し思い込ませることが
友人の命を守りました。

おそらく理解なんていらないのでしょう。
自覚をして、繰り返しお題目を唱える
それが効果があるということなんだと思います。

お題目といえば、
そのあと、友人は、
自分の友人たちの手紙や文章を
お経のように繰り返し読み続けたそうです。

追い詰められた人は、
なかなか自分を支援している人がいるということに
気が付かないことが多くあります。

いじめやパワハラの相談を受けると
必ず、手を差し伸べている人たちがいます。
本人は意味を認識していないのですが、
事実は知っているのです。

その心が、形になっていることが有効なのだと思います。
自分は一人ではないということが有効なのでしょう。
しばしば誤解があるのは、
家族の存在は、効果が小さいことがあるということです。
家族に対する申し訳ないという気持ちがある場合、
家族がむしろ負担になることがあるからです。

できるだけ利害関係のない
緩やかな関係の
「いつでも電話してね」くらいの関係が
有効になることが多くあります。

自分を承認してくれる人を探しましょう。
本当は身近にいるのですが、なかなか自覚できないものです。
既に亡くなった人、本の中の人
何でもいいので、落ち着く人を探しましょう。

これを読めば、これを見れば、このにおいをかげば落ち着く
というアンカーをさがしましょう。

その上で、友人は名医の、少量の抗うつ薬が有効だったようです。
友人の仲間たちと名医の連携もありました。

死ななければならないと思った段階では、
脳の誤作動が凝り固まっているのですから、
それを正常に戻そうとする体のどこかしらの部分が
無理をし続けているはずです。

薬の力で補ってあげて、
無理して頑張っている体の箇所を
休ませてあげる
そうして、自然治癒力を復活させる
という感じのようです。

死ななければならないと思った場合、
それを自覚し、
脳の誤作動だということを思い込ませるとともに、
名医を探してください。

そこまで来てしまったら、
入院施設のある病院をお勧めします。

理由は、
診療所から入院施設のある病院を紹介され、
そこにたどりつく前に自死した人たちが
実際にいるからです。
最初から病院に行くべきだと思います。

それから、知りあいの経験からとか、確実な情報で、
患者さんの話をいっぱい聞いてくれる先生を見つけ出してください。
私が、そういう先生に紹介して
実際によくなった人をたくさん見ているからです。
その人が本当によくなったかどうかは、
その人の家族の眉間のしわで判断できます。

1時間以上も話を聞いてくれたという経験は、
それだけで、「自分が尊重された」と受け止めることができ、
自己否定を否定する心地よい経験となるようです。

みんなで、あるいは社会も含めて、
あなたの脳を誤作動させたのですから、
みんなで、あなたを休ませる必要があると思います。

宮城県には
どのような相談にも乗れる
みやぎの萩ネットワークがあります。

http://miyaginohaginetwork.blog.fc2.com/

タイミングが合えば
長くお話を聞くことができます。
一度でなく、何度かお話をしてもらえれば、
解決の道が必ずあります。





いまだ消化不良なのですが、
託された者の責任を果たすために記載しました。

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コメント 6

さすらいのブラック企業ソムリエ

土井先生
ありがとうござます。
自死願望と希死念慮は、当事者でも混乱してる時は、なかなか区別がつかないでしょうね。冷静になった後に「希死念慮」だった事に気づく事が多いと思います。うつで苦しむ方々には、ぜひ、このブログを継続して読んで頂きたいですね。
by さすらいのブラック企業ソムリエ (2015-04-07 23:16) 

しまだ

30年以上生きてるから自分が人間界のアポトーシスの対象なのでは?
ここで死なないと人間界の癌になってしまわないか不安です。
新陳代謝に寄与する為に死ななければいけないと思っています。
by しまだ (2017-03-15 23:35) 

さくら

だいぶ救われた、というか、頭の整理ができたように思います。ただ、私の場合は死ななければならないよりも、子供を産んではならないとか、つまりは子孫の繁栄を否定している気持ちになっています。
by さくら (2017-10-09 17:21) 

お名前(必須)

死の方がプライオリティが高かったら正常。その場合、価値観が違うだけだろ。それを非常識といったとして、非常識な状況の渦中にいる人にとってはそれが常識だからな。
by お名前(必須) (2018-12-29 01:51) 

あ

正直なところ、何を言われているのか、分からなかったです。


by (2019-03-15 17:19) 

この世には居られないと思う

自分が「死ななくてはならない」と思う理由が、過去の自分の行動にある場合(自業自得)も誤作動なのでしょうか。
自分が死ぬことで自分の苦しみから逃れられる。それを望むのも?
「自業自得なのだから、地獄の中で苦しみながら生きるしかない。それができないなら勝手に死ね。」、と強く言われた方が、理屈として納得できる気がするのですが。
by この世には居られないと思う (2019-05-14 22:51) 

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