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【緊急】高度プロフェッショナル制度が有史以来の悪法であることについての説明。官僚や財界が反対しないことが不思議な理由。 [労働事件]

働き方改革の中に高度プロフェッショナル制度があります。
これは、年収1075万円以上の労働者には
労働基準法の労働時間制限が適用されなくなるという制度です。

労働時間制限と言ってもピンと来ないかもしれません。
以下、説明します。

1 日本においては、労働者の労働時間は
  1日8時間、週40時間の上限があるということ
2 上記上限を超えて働かせると原則として
  刑事罰の対象となること(自然人なら前科がつくということです)
3 例外がいくつかあり、
  職場の3分の2以上の労働者を組織する労働組合などが
  使用者と労働協約を締結することによって
  刑事罰を免れる制度があること(いわゆる36協定)

  但し、36協定が有効であるためにはハードルがあり
  例えば、時間外で働かせる内容が
  日常労働ではなくイレギュラーな作業である必要がある
  ということが通達で定められている。
  従って、36協定があるからと言っても
  日常的に一日8時間以上、週40時間以上働かせることは
  通達違反ということになること。
  この点があまり知られていないので、
  日常的な時間外労働が蔓延している。

4 法は、時間外労働をさせないために周到な準備をしていて
  時間外労働が許される場合でも
  ただ時給を払えばよいのではなく、
  時間外ということで割増賃金を払わなければならないとし、
  この割増賃金を払わない場合にも刑罰の適用がある

こういう制度が労働基準法の労働時間制限です。

では、どうして労働基準法に労働時間制限があるのでしょう。
労働基準法が制定されたのは昭和27年です。
まだ「過労死」という言葉はありません。

しかしながら、労働時間制限が設けられた理由は、
「早死にを防ぐため」ということだったのです。
繊維工業や土木作業において、
長時間労働が行われていて、
肺結核などの呼吸器疾患等で
若者が次々死んでいったという立法事実がありました。
戦争という24時間労働もあったでしょう。

良く、昔の人は朝早く夜遅く働いても長生きした
とかいう人がいますが、
長生きした人だけを見ているからそうなのであって、
実際は、多くの若者が死んでいったのです。

「早死に防止」は、松岡三郎先生という
当時、労働基準法の立法作業に役人として携わった方が
労働基準法の教科書で記載されています。
この教科書も、「過労死」という言葉が生まれる前に著されています。

つまり、労働時間制限は
過労死防止だけの制度ではないということです。

さらに、私は労働分野だけでなく
夫婦問題親子問題も手掛けていますが、
長時間労働がもたらす家庭への影響を
もっと考えるべきです。

親子が一緒にいる時間が少なければ
家族は壊れやすくなるというのが私の実感です。
徳に夫婦はそうです。

さらに、疲労が蓄積していけば
イライラが高まっていきます。
夫がそのような状態だと
妻は必要以上に疎外感を感じ、
危機感に敏感になってしまいます。

長時間労働のある会社は
職場全体が殺伐として生き
無駄な決まり事も増えていきます。
そういう決まり事、社内常識を
家庭に持ち込んでしまうと
さらに家庭はぎくしゃくしていきます。

つまり、長時間労働は、
人間の生命、身体の健康をまもるということと
対人関係の悪化を防ぐということから
人間の安全を守るための制度だと私は考えます。

労働者の健康を守る制度は労働時間制だけではありません。

例えば高所作業の場合は、
ヘルメットを着用し、安全帯を設置すること等が定められています。
もちろん身体生命を守るためです。

もし、その高所作業員が年収1075万円以上だったら
ヘルメットを着用させなくてもよい、
安全帯を設置しなくてもよい
ということになったら、誰でもおかしな制限撤廃だとわかるでしょう。

どうして、労働時間法制だけ撤廃してもよいということになりましょう。

おそらく、高所作業の場合、
ヘルメットや安全帯を着用しないことの危険が
誰でもわかりやすいからなのでしょう。

しかし、時間外労働が多くなればなるほど
死ぬ確率も増えるということは、
ほかならぬ厚生労働省が啓発していることなのです。
厚生労働省は、月45時間以上の時間外労働があれば
過労死になる可能性が高まっていくとしています。

これが、月100時間以上働いても
違法にならないとすることとどう整合するのでしょうか、
年収が高いことと何か関連するのでしょうか。
何も関連しません。
年収が高いからと言って過労死にならないという理屈はありません。

過労死という言葉がなかった時代に
8時間、48時間労働時間制を作った
日本の官僚たちは、先見の明があり、
日本という国を、国民の幸せのための制度にする
という気概が感じられます。

それから、医学的にも進んで、
長時間労働の害悪がいよいよ明らかになってきた今日に
労働時間制度を一部廃止するということは
他の労働法制と全く整合しません。
法律の専門的見地からすれば「めちゃくちゃ」です。

現在進められている高度プロフェッショナル制度は
月あたり100時間を上限としていますが、
過労死認定基準で有害とされている
2週間以上の連続勤務を許しているということもあります。
また、暦の上の月ということですから、
5月と6月で2カ月なので、合計200時間までは良しとされてしまいます。
その結果、5月の後半と6月の前半に時間外労働を命じれば、
30日あたりで100時間を大きく超える労働を
命じることが違法とされなくなってしまいます。

むちゃくちゃの上をゆく悪法です。

このような法律の整合性もなく、
労働者やその家族を追いつめる制度を
国民の税金で生活している官僚たちが進めていることに
どうしても納得できません。

政府は財界の意向を受けてい行っているという報道もありますが
私は信じられません。
労働者に月100時間近く時間外労働をさせる会社で
即ちそういう無茶な労働をしなければならない会社で
長期的に見て反映する会社があるでしょうか。

時間外割増賃金も支払わない会社が多いということは
日本経済が破綻寸前だと考えなければなりません。
われわれが会社が危ないかどうかを見極める指標として、
賃金の不払いや遅延があります。
こういう会社は早期に見限るべきだということが常識です。

日本経済はそういう状態なのでしょうか。
これでは、世界経済の中で孤立していくでしょう。
財界は、自分たちの経済的信用をかなぐり捨てて
何を勝ち取ろうとしているのでしょう。

グローバルな取引をする企業こそ
日本企業の信用失墜を防ぐために
高度プロフェッショナル制度に反対するべきなのです。

このままでは、高度プロフェッショナル制度は成立するとのことです。
一部の動きとして、労働者に解約権を作るとか言っています。
ないよりましかもしれませんが、
そういう対等の立場で解約できないから
労働基準法があるということを理解しない
とても恥ずかしい議論だと思います。

私がこれに反対しないことは、
私がこれまで学んできた労働関連法規、
法律を守るという実務家のキャリアをすべて否定するものです。
だから私はこの法案に反対します。


  
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