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虐待の根本的な防止のために、「子育て支援基地」を地区ごとに配置する提言 [家事]



1 子育て支援基地

  子育て支援政策を各自治体は行っているようですが、必ずしも共通の政策がないのかもしれません。私のこれからお話しする「子育て支援基地」は、実際に仙台市にある、あるいはあった、子育て支援の一時預かり保育がベースになっています。ただ、少しはみ出しています。
  子育て支援基地は、子どもの一時保育をベースにしているのですが、どうしても保育というと、両親が働いていることが前提とされているようです。私は、後に述べる理由から、両親が働いているか否かにかかわらず、子どもを受け入れてほしいと思います。但し、利用人数の関係がありますから、当初は、週2回程度、利用時間も午前中だけとか、午後だけとかという制限があってもやむを得ないと思います。
  お母さんが子どもを連れて、フラッと入れる場所が良いと思います。できれば、地上階、1階にあるとよいです。公立保育所に併設した、あるいはその建物の中の一部屋があてがわれると本当は便利です。しかし、仙台市もあれよあれよという間に公立保育所が無くなって行ってしまいました。子育て支援基地には保育士さんがいて、保育士さんはできるだけベテランの女性が良いと思います。一度退職された方で、週に2回程度なら働けるという方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。基地では、短時間子どもを預けることもできるし、子どもと一緒に時間を過ごすことも許されてほしいです。紅茶等が用意されていたりして、先生に子育ての悩みを自然に打ち明けられる雰囲気を作ってもらいたいと思います。その間、子どもは、子ども同士自由に遊んでいるし、何かあれば、保育士さんが対処できます。一時預かりをする場合は、人数調整もあるでしょうから前もって予約をしてもらいますが、子育て相談は母親が同伴であれば随時行うことができるという具合が良いと思います。

2 孤立婚と子育て支援基地

  私の得意な200万年前でさえ、人間の場合は、子育ては母親だけがするのではなく、群れ全体で行っていたようです。これは、母親だけが子どもに食料を分け与えるサルと人間の決定的な違いです。農村部ではつい最近まで神社の境内などが子どもたちの自主的な遊び場になっていて、年長者が年少者をうまくあつかっていました。家々には祖父母がいて、あるいは茶飲みに来る近所の人がいて、誰彼となく子育てを手伝ったり、相談に乗ったりということがあったようです。また、現代のような厳しい受験競争や職場環境もなく、現代ほど相談が必要なこともなかったかもしれません。
  ところが、現代は、マンションなどの住宅事情や人間の行動傾向から、子育てを親だけがやるような風潮になっています。これは、人類史が始まっても初めてのことです。そもそも二人だけの部屋に子どもが生まれるのです。最初から孤立している孤立婚です。
  大家族で育ったことの無い親は、他人の子育てのリアルを知りません。大家族ならば、自分の親が弟や妹を子育てしている場面や年の離れた兄や姉が子育てしている場面を見ているでしょうし、親戚の子育ても観ているかもしれません。それができないので、本やインターネットで理想的な子育ての情報を入手したり、わずかな本音トークに接したりしていますが、情報発信者の生活環境も分からない上に、発信した情報の真実性も分かりません。それにもかかわらず、良い会社に正社員で就職するための大学、高校、中学と遡っていき、乳幼児教育などもお金をかけて行わなければ、子どもが一生食うに困らない状態にならないような風潮もあります。しっかりしたリアルな情報がないことと、不安の材料が多いことがあわさって、子育ては不安に満ちています。
  一見順調に子育てをしているようでも、例えばすぐ風邪をひくとか、夜泣きがひどいとか、実際は子育て者は苦労しています。手がかかるため、自分の時間がありません。
  母親が中心に子育てをしている家庭が多いのですが、最近は父親もできる限り育児参加をしているようです。皇太子殿下の子育てがきっかけになっていると思いますが、幕末や明治の外国人の日本に関する文献を読むと、もともと日本人男性は子どもが好きなようです。また、客観的にも孤立婚ですから父親が子育てをしなければ母親はパンクしてしまいます。
  特に職業を持っていた女性は、子育てを楽しむ余裕がないと、自分は社会の中で活躍していたのに、今はこの赤ん坊に振り回されている、自分がこの赤ん坊の奴隷のようになっているように感じる人が少なからずいるようです。これは母親の職業が自分の裁量で行える職業だったかという裁量の程度と、子どもの手のかかり具合に比例するようで、母性云々の話ではないように思います。そういう心身とも赤ん坊に振り回されている時は特にそうなのですが、母親は父親の子育てを評価できないようです。これは出産後の脳の構造が変化しているとのことで、赤ん坊に対しては共感、共鳴ができるけれど、父親に対しては共感、共鳴が起こりにくい状態になっているというところにも由来しているようです。母親が孤立感を深める要因になっています。
  現在の夫婦は、子育てに関して、人類史に類例を見ないほどの困難を抱えています。子どもは群れで育てるという人間の本能にも反します。様々な社会環境から2世代、3世代同居ができないのであれば、あるいは自然発生的な地域コミュニティーが形成できないのであれば、行政がこれを補うサービスをすることが合理的ではないでしょうか。
  もし、私の言う子育て支援基地があったら、お母さんは、2,3時間とはいえ、育児から解放されます。自分のための買い物に行ってもよいでしょうし、読書や音楽鑑賞など、自分の時間を作ることができます。時間の切れ目のない子育てからのわずかながらの解放は、大いにリフレッシュできるでしょう。また、単身赴任や長時間労働等の夫が子育てに協力できない場合は、その時間はとても貴重なものになるでしょう。
  最も貴重なことは、社会が母親に対して子育てを休んでよいのだというメッセージを送ることです。そしてそれを現実化してくれることです。子育てに喜びを感じて、不平を言ってはいけないと思い込んでいるお母さんがたくさんいらっしゃいます。母性神話に苦しめられているお母さん方もまだまだ多くいらっしゃいます。サボりたいとか投げ出したいという気持ちを持つこと自体に罪悪感を持つようです。2時間か3時間の自由行動ですが、頑張った御褒美を行政が用意することはとても素敵なことだと思います。
  産休等で仕事を休んでいるお母さん方にも、専業主婦のお母さんにも、子育て支援基地は必要な行政サービスだと思います。

3 虐待が起きる原因と子育て支援基地の役割

  虐待が起きる原因は、驚くほどの無知と孤立です。普通のお母さんでさえ、子育てには不安があり、孤独な育児をしていると感じています。それでもインターネット記事などを見て、やってはいけないこと、心配しなくてよいこと等を必死に情報入手しています。ところが、そのような情報を入手できないお母さん方は、例えば子どもに大人の食べるものを与えたり、衛生面での配慮が足りなかったりすることがあります。赤ちゃんの生理に無知なため、大人に合わせた食事の時間にしたり、逆に食べさせすぎたりしたりします。些細な無知の積み重ねが子どもに悪影響になって現れることもあります。
  孤立は、この無知を修正することができません。誰かが、親の間違いを優しく直してくれれば、親は修正することができます。しかし、虐待事件の親たちは、適切な人間とつながることができず、自分と同じ無知な大人や、全く赤ん坊を可愛いともかわいそうとも思わない大人とつながってしまっていました。子育ての相談と言えば児童相談所かもしれませんが、そのような親にとって児童相談所は、自分の子育てに至らないことがあると、子どもを奪って会えなくする怖い機関だという認識が作られていることが多くあります。また、児童相談所は、平素の育児相談を受け付ける余裕はないでしょう。
  そうだとすると、子育て支援基地が最適なのです。数時間とはいえ、ベテランの保育士さんが子どもを観察できますし、子どもと母親の関わりを観察することができます。無知を修正するきっかけが多く生まれます。愛情のかけ方を教えることもできます。
  この時、良いのは、年配の保育士さんなのです。一つには多くの親子を見てきたということが絶対的な強みです。ある程度のはみだしがあっても許容できる人たちです。また、つい虐待をしたくなるという孤立した親に対して、それはあなただけでないよと、のんびり言ってくれることが期待できるからです。親にとっては、自分の育った環境がそうだったことが、例えば児童相談所にとっては虐待だということが結構あります。年配の保育士さんなら、それはこうすればもっと良いよと教えてくれることが期待できます。
  ここでの鉄則は、虐待を即時に否定しないことです。修正するべきエラーだと扱ってくれることです。そうやって、みんな同じ道をたどったということを知ることによって、同じ地平からのアドバイスということで親たちは救われ、子どもへの愛おしい気持ちを回復することができるのです。
  また、母親は、どんなに父親がアドバイスしたり、慰めたりしても、あまり喜びを感じないようです。わかってくれない、話を聞いてくれないという不満はどうやらつきもののようで、父親はあきらめるべきポイントのようです。しかし、ベテランの保育士さんから、「このお子さんは確かに手がかかるから、お母さん大変だね」と言ってもらえることで、涙を流すほど救われるのだそうです。あまり追いつめない。でも言うことは言う。言い方を許容的、支持的に行う。これができるのは子育て支援基地だけだと思います。
  週に二度、一度でも、あそこに行くことができる、あそこに行けば自分を理解してくれる人がいる、つかの間の自由も手に入る、行った後は子育てが楽になるということが続けば、乳児への虐待は確実に減少することと思います。

4 幼児の虐待と子育て支援基地

  幼児への虐待も、無知と孤立です。子育てのやり方がわからないから、ペットを育てた経験から同じように育ててしまったり、親の都合で定期的な食事、おやつを与えなかったり、衛生状態が悪いということがあるようです。この種の虐待に関しても、乳児の時と同じように子育て支援基地は機能します。
  また、これまで頼りにしてきた保育士さんですから、あるいはこれまで子育て支援基地を利用してきてよいイメージがあれば、また、自分が否定されていないという安心感から、なんとなくフラッと尋ねることもあるでしょうし、話を聞こうという気にもなるでしょう。子どもたちも、自力で歩行するようになり、近所に子育て支援基地があれば、いざとなったら遊びに来ることもできます。あまりにも親の子育てがひどく、命の危険や直ちに健康を害する危険があれば、その時は児童相談所に通告することもあるでしょう。
  しかし大事なことは、「それはみんな経験している」という言葉と、「それをやったら子どもがきちんと育たないよ」という意見を柔らかく言ってくれる相談できる相手がいることが、子どもたちにとっては有益だと思います。
  もしかしたら、きちんとやりたいけれど、色々な事情でやれないという親たちもいるかもしれません。支援基地では、通常は保育士さんがいればよいとおもうのですが、時折、ケースワーカーや心理士、弁護士、できればお医者さんなどが普段着で訪れ、気軽に相談に乗る機会があれば良いのかもしれません。
  さらには、幼児教育がいろいろ形で費用を伴って盛んに売り出されています。学習塾だけでなく、ビアノやバレエなど、幼児の内からかなり本格的にやらされる風潮があります。これは、子どもにとっては相当のストレスになるようです。しかし、子どもたちは頑張りますし、やればやるだけ伸びる時期でもあります。全く大人が想定しないやり方を編み出したりして、指導者を超えて熟達することもあるようです。だから大人は、特に親はやらせたがるわけです。自分はこんなにできなかったのに、この子はこんなにできると思ってしまうのです。もしかしたら、それは子どもにとってはかなり無理なことで、コルチゾールなどのストレスホルモンによって、脳や内臓が委縮しているかもしれません。そんな時に、子どもたちの逃げ場にもなってもらえれば、どんなに子どもたちは救われるでしょうか。

5 まとめ

  児童虐待は、とんでもない無知と孤立から起きるものです。それは、親の責任でもなく、社会環境が原因です。親の孤立を解消することが、急務です。しかし、虐待親の烙印を押されて、子どもをとられてしまうという不安を抱えた親は、自ら孤立を選ぶ傾向もあります。
  そして、どんな親でも、一つ間違えば虐待を起こしてしまう可能性があり、孤立しているためにそれが虐待だと気が付かない場合もあります。
  わずかの時間、特に説教されたりしないで、具体的に良い方法を教えてもらえるような場所があれば、そこに行って誰かと話をすることの負担はだいぶ軽減されるでしょう。その基地の中核には保育士さんがいて、地域の経験者、専門家がふらりと立ち寄るようなコミュニティーになれば、虐待は減っていくと思います。
  現在、児相の規模と権限の拡大が、虐待防止として提案されています。しかし、児相の規模と権限拡大は、虐待予備軍の親たちの孤立を進めてしまう恐れもあると思います。あらゆるまなざしを自分たちに対する監視だと受け止めるでしょう。できれば、児相と保育所の中間的な機関があればよいと思うのです。例えば親子のショートステイとかそういうものです。もう一つ、児相の拡大の問題があります。児相は虐待があって初めて介入を行うという特徴があります。虐待後の措置が厳しいものになることからそういう条件になります。しかし、虐待は発見した時には、既に深刻な状態が起きているかもしれません。免疫に支障が出れば、小さい子なんてあっという間に命の危険が訪れます。虐待が起きてからの対策は、虐待死を防ぎきることはできないと思います。また、死ななければ良いというものでもなく、暖かな家庭、失敗や欠点を受け止めてもらう体験がなく、人間が信頼できるという体験がないまま、大人になって行く子どもたちを放置してはなりません。虐待の要因を取り除いて虐待を無くすためにどうするかという根本的なアイデアを多く出し合って、人間らしい喜びを子どもたちに与えることを考えるべきだと思います。

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